Radix RY-154Aの他バンド転用(18MHz編)

  昨年10月、友人のJL3RNZ稲葉さんからメールを頂きました。
Radixの21MHzの4エレ八木(RY-154A)を使ってるけど、これを18,24,28MHZに
転用できないか?という相談でした。

 氏は移動運用でアクティブに無線活動されていてボクなんかは足元にも及ばない!
DXCCから国内サービス、コンテストと幅広い。運用周波数は1.9~1200MHz?
まで、
衛星通信もやってはります。

 そんな氏がRY154Aを他バンド転用したいという思いはよくわかります。
特に移動運用でDXを追っかけるときは、狙いを定めて移動地や運用バンドを決めて
やります。その時、21MHzの4エレを活用したいと思うのは自然な流れです。
Radixのアンテナは、太いエレメントの中から細いエレメントを引き出して組み上げる
構造になってるので長さ調整は比較的簡単です、こうなると転用したくなるのは
益々自然な流れです。

 で、相談を受けたもののできるという自信は全くなし、でも検討してみるわ
失敗しても恨みっこなしやで、という事で始めました。

 まずは、MMANAのお勉強から(そっからかい!!)
RY-154Aの詳細寸法を測ってもらってチマチマとMMANAに入力していきました。
特に注意を払ったのは、テーパの構造と給電部の構造。
Radixの給電部はガンママッチになってるのでこれも忠実に入力しました。

 で、だいたいイメージが掴めたところで設計コンセプトを決めます。
1.移動で使うので組み立てはできるだけシンプルな事。
  工具は不要な事が望ましい。
2.エレメント間隔はオリジナルのまま、エレメントブラケットはいじらない。
3.ゲイン重視で最適化する。
4.給電部はショートバーの移動程度にとどめる。
という事にした。

MMANAがはじき出した結果はこうです。

ゲインは自由空間で表示してますが、実際は10mHで使います。
SWRはバンド内で良好な結果が出ています。

 一番苦労したのが、実はマッチングで、一ひねり入れてます。
ガンママッチなので給電部に、39pFx2のコンデンサが内蔵されています。
これは21MHz用ですが、この容量を毎度18MHz用に交換することはできない。
というかコンセプトに反します。なのでこのCはそのまま使って何とかならないか?
思案の末、出てきたのがサブエレメント(という名前?)とラジエータを繋ぐ
ショートバー部にLを挿入するという案。
ショートバーの位置を伸ばして、R+jXのR部を50Ωに近づけただけでは
jXがゼロになってくれないので、Lを追加してみたという訳。これが計算上では
すこぶるうまくいきました。ほんまかいな?と設計者自身も半信半疑!!

 詳細は後述するとして、21MHzから18MHzにするので全エレメント延長する
必要があります。この処理をどうやるか?ですが稲葉さんとも相談しながら
最終的には細目のアルミパイプをつぎ足すことにした。

 

 これがそのつぎ足しエレメント
Radixのエレメント先端は少し太くなってるので、つぎ足しパイプに縦スリットを入れて
この太くなってる部分を通します。先端がへしゃげてるのは細いエレメントに当てるため。
わかるかな?

こんな止め金具で固定します。

 各エレメントの長さを毎度測つて固定するのは面倒なので、所定の位置に細いピン
を入れてストッパにしています。もともと細いアルミパイプなので太い穴を空けると
強度が低下するので、細い穴をあけて書類を止めるクリップを通してます。

エレメントに固定したところ。
先の方が太くなって先端ヘビーになった感じはあります。実際どれぐらい垂れ下がるか
気になるところです。

次は給電部

これがショートバー部に入れたL、設計値は0.32uHです。
自信がなかったので100均で適当な材料仕入れて試作した1号機です。
で、試作機の結果は思いのほか良好でばっちりSWRは下がりました。

 

こちらがホンチャン版、大して変わらんけど。


実際に装着したところ、エレメントにはめ込んで目玉クリップで止めるだけ。

出来上がった全様はこんな感じで、懸念の垂れ下がりは思ったほどではなく
許容レベルではないかと。

作業中の稲葉さんとアンテナ
実際の作業は2日間にわたって別の場所でやりました。

 

 SWRは計算どおりに落ちましたが、実際のビームの切れ、ゲインはどうなんや?
というのが一番気になるところですが、これらを正確に測定するのは至難の業です。
約50km離れたところからの信号を聞きながらアンテナをぐるっと回して信号強度を
見たところでは、サイドの切れは抜群、F/B比も十分あったとのことです。
詳細は稲葉さんからレポートあるかな?
ちなみにこのアンテナのニックネームは「カニ」です。稲葉さんと意見が一致した。

おまけ

作業一日目の夕日がとても綺麗でした。
24,28MHz版につづく、、、かな?
ほな、

カテゴリー: 無線 パーマリンク

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