SR-280M ラジオ(8)   ~ 検波 ~

 検波段の回路ですが、最初に見たとき動作がさっぱり分からなかった。
回路を眺めて考える事20~30分、なんとなく見えてきた。

これがその回路、2つ目のIFTを通った信号は、キャリア455kHzにAM変調が
かかってる。

 まず、真空管 6Z-DH3Aは、2極管(整流管)と3極管が1つの管に同居してる球です。
そこから少しずつたどっていきます。

関係あるとこだけ書き出すとこうなるか。

 2極管と3極管を分けて書くとこうなる。
ボリュームの横のスイッチは動作時ONなのでGNDにしておく。

 2極管は整流管なのでダイオードで表現した。
すっきりさせるために部品の配置を整理
とここまでくるとD1とC8で半波整流+平滑してることが分かる
教科書どおりのAM検波です。ただし普通はC8の下側をGNDに落としてあります。
ここがこの回路のミソやね。検波出力を使ってAVC(Automatic Volume Contorol
でええんかな)を架けるためにマイナス側で検波し、その負電圧を前段のアンプ部
のグリッドバイアスに使っています。なるほどなるほど。です。

 検波された信号はVR2(音声ボリューム)で適切なレベルに変えて、次段の
AFアンプへC7でカップリングします。R2はAFアンプのバイアス抵抗で
0(ゼロ)バイアアスになってます。

 この回路で重要な部品定数は、C8でしょう。455kHzのキャリアを綺麗に
除去するにはCを大きくすればいいが、大きすぎると変調信号に追従できなく
なって音が歪んできます。
他の定数はさほど精度を気にする必要はないと思われる。

 試しに検波の動きをSimしてみた。

回路のIFTから左はキャリア455kHzのAM変調信号を作ってるところなので気にせずその
あとを追っていきます。

AはAM変調がかかった455kHzの信号
BはIFT出力、SWと書いてある部品は理想ダイオードです。(VFがゼロ)
Cは検波出力で包絡線のみが出てきてます。
Outはカップリング後で0V中心で振ってる。

検波後の信号は元信号と比較してやや?歪んでるのが分かります。
こんなんでええんかな?

 まぁ、一応動作は理解した(つもり)ので実機で確認していきます。
後段のAFアンプはなにげない普通の回路なので特筆する必要はないでしょう。


 あと6Z-DH3AのプレートとGND間に入ってる250pFのコンデンサは何?という
疑問があるのですが、恐らく、検波後の455kHz成分の残りを、プレート抵抗と
このCで作るLPFで除去してるんではないかと推測しています。ほんま?
それか発振防止用とか?
ほな、

 一部修正した最新全体回路図を載せておきます。

カテゴリー: 無線 パーマリンク

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